■Bridgingの設定
CiscoルータではIPルーティングだけでなくBridgingすることも可能です。簡単にいうとルーテッドインターフェイス ( L3 )をブリッジインターフェイス ( L2 )にすることが可能です。
最もわかりやすい例として以下を見てみます。
通常のIPルーティングであればR1-R2およびR2-R3の間では別々のセグメントが定義されルーティングされるのが本来のルータの役割なのですが、R2においてbridge-groupを設定することでR2をブリッジングさせ、R1とR3の間を同一セグメントにすることが可能です。このときのR2の設定を見てみます。
no ip routing interface FastEthernet0/0 bridge-group 1 bridge-group 1 spanning-disabled ! interface FastEthernet0/1 bridge-group 1 bridge-group 1 spanning-disabled |
まず最初にip routingを無効にしています。そしてR1とR3を接続しているインターフェイスでbridge-groupを定義しています。bridge-group 1を定義するとspanning-tree disabledも自動的に設定されます。これでR2はブリッジとして動作するようになりR1とR3は同一セグメントで疎通可能となります。
■CRB ( Concurrent Routing and Bridging )
上の設定ですと最初にno ip routingを設定していますので機器全体としてip routingはできなくなり、ブリッジング専用機になってしまいます。これをインターフェイスごとにブリッジングなのかルーティングなのかを用途別にわけることが可能となります。必要な設定はno ip routingの代わりに下記を設定します。
(config)# bridge crb |
ルーティングしたいインターフェイスには普通にIPアドレスを設定し、ブリッジングしたい場合にはbridge-groupを設定すればOKです。
■IRB ( Integrated Routing and Bridging )
IRBはCRBの後継機能です。IRBとは簡単にいうとルータをL3 Switchと同様にSVI ( Switch Virtual Interface )のような機能を提供するものです。例えば以下のような構成が可能です。
上記の構成ではR2が管理IPを割り当てたL2 Switchのような動きとなります。設定は以下の通りです。
bridge irb interface FastEthernet0/0 bridge-group 1 bridge-group 1 spanning-disabled ! interface FastEthernet0/1 bridge-group 1 bridge-group 1 spanning-disabled interface BVI1 ip address 10.0.0.2 255.255.255.0 bridge 1 route ip |
bridge 1 route ip でBVIインターフェイスを利用したルーティングが可能となります。このコマンドを忘れるとBVIに設定したIPに対して疎通ができませんので注意してください。この状態でR1とR2とR3がそれぞれ疎通可能となります。
基本的にルータやL3 SwitchでBridgingを設定する機会はあまりないのですが、これを設定することで要件を満たせる場合もあります。但し、Bridgingはプロセススイッチングとなってしまいパフォーマンスに影響がでることから他に回避策があればそちらで設定することをおすすめします。どうしても必要な場合、というとき以外は奨励いたしません。