Catalyst FlexLinkの設定

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FlexLinkとは2つのスイッチポートでアクティブとスタンバイのペアを作り、スタンバイのポートをアクティブのポートのバックアップとして利用する技術です。FlexLinkはSTPの代替手段として利用されることもあり、FlexLinkが有効なポートではSTPは無効となります。

注意頂きたいのはSTPでは複数のスイッチが連携していかなる理由でも通信断が発生すればテータスが変化するのに対し、FlexLinkではその機器単体で動作するものであり、例えばケーブルの障害など通信断が起きてもポートのリンクが上がっていれば障害を検知することはできないため万能な対策とは言い難いものなので注意が必要です。但し、仕組みはSTPよりも単純であり導入敷居は低いといえます。


今回は下記の構成を例にとって記載します。三角形のトライアングル構成ですが、L2Switch_Aでは常時Fa0/2は使用せずFa0/1のみを使用します。そしてFa0/1のリンクがダウンした際にFa0/2に切り替わる動きとなります。

以下、L2Switch_Aの設定例です。

interface FastEthernet0/1
 switchport access vlan 100
 switchport mode access
 switchport backup interface Fa0/2
 switchport backup interface Fa0/2 preemption mode forced
 switchport backup interface Fa0/2 preemption delay 5

mac address-table move update transmit


L2Switch_Aに対してFlexLinkの設定を行うためのキーとなるコマンドの説明を行います。

switchport backup interface FastEthernet 0/2
スタンバイのインターフェイスを指定します。
switchport backup interface FastEthernet 0/2 preemption mode forced
アクティブのインターフェイスが復旧した際にアクティブのインターフェイスが自動で切り戻るよう設定します。
switchport backup interface FastEthernet 0/2 preemption mode delay 5
アクティブのインターフェイスが復旧した際に5秒後に切り戻るよう設定します。
mac address-table move update transmit
アクティブのインターフェイスがリンクダウンした際に自身のMacアドレステーブルアップデート情報の送信を行うよう設定します。

上記設定のステータスは以下のshow コマンドで確認できます。

# show interfaces switchport backup detail

Switch Backup Interface Pairs:

Active Interface        Backup Interface        State
------------------------------------------------------------------------
FastEthernet0/1           FastEthernet0/2           Active Up/Backup Up
        Preemption Mode  : forced
        Preemption Delay : 5 seconds
        Multicast Fast Convergence  : Off
        Bandwidth : 100000 Kbit (Fa0/1), 100000 Kbit (Fa0/2)
        Mac Address Move Update Vlan : auto

L2Switch_BとCには共通して以下の設定が必要です。下記はL2Switch_Aから送信されるMacアドレステーブルのアップデート情報を受信する設定です。

(config)# mac address-table move update receive


■VLAN毎のトラフィックバランシング


上記の例では全てのトラフィックがFa0/1から流れFa0/2は通常時は全く使用されないという動きになります。出来ればFa0/1と0/2を同時に使用し一方に障害が起きた場合はもう一方で全てを賄うという動きにしたいと思われることと思います。FlexLinkではこれをVLAN単位でバランシングさせることが可能です。VLAN情報を記載した構成図を下記に記します。

上記を実現するL2Switch_Aの設定が以下となります。

interface FastEthernet0/1
 switchport trunk allowed vlan 10-20,30-40
 switchport mode trunk
 switchport backup interface Fa0/2
 switchport backup interface Fa0/2 prefer vlan 30-40


上記でFa0/2からはVLAN30-40のトラフィックが流れ、Fa0/1から残りのVLANが流れることになります。どちらか一方のインターフェイスがダウンした際には残ったインターフェイスで全てのフレームが転送されることになります。注意点としてVLANごとのロードバランシングを設定する際にはそのポートがトランクである必要があります。また、preemptionを設定することは不可となります。以下のshowコマンドでステータスを確認できます。

# show interfaces switchport backup detail

Switch Backup Interface Pairs:

Active Interface        Backup Interface        State
------------------------------------------------------------------------
FastEthernet0/1           FastEthernet0/2           Active Up/Backup Up
        Vlans Preferred on Active Interface: 10-20
        Vlans Preferred on Backup Interface: 30-40
        Preemption Mode  : off
        Preemption Delay : 35 seconds (default)
        Multicast Fast Convergence  : Off
        Bandwidth : 100000 Kbit (Fa0/1), 100000 Kbit (Fa0/2)
        Mac Address Move Update Vlan : auto

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