Catalyst PortFast / UplinkFast / BackboneFastの概要

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STPには以下の4つの状態があります。

ステータス 説明 秒数
Blocking BPDUの交換は実施しますがフレームの転送は実施しない。 デフォルト
Listening ルートポート、指定ポート、ブロックポートを選択している状態。
フレームは転送しない。
20 秒
Learning フレームの転送の参加に準備を行っている段階。
フレームは転送しない。
15 秒
Forwarding フレームの転送を行っている状態。 15 秒

スイッチが起動した直後の状態はBlockingです。ここから20秒経過後にListeningとなり、15秒経過後にLearning、さらに15秒たってようやくForwardingとなります。つまり起動直後から20+15+15=50秒後にフレームが転送開始されるわけです。構成などによってはこの50秒が全く無駄になるケースも多々あるわけで、それらを解消するためPortFast / UplinkFast / BackboneFastという技術が用いられることがあります。


■PortFastの概要

例えば以下のような構成の場合、PC端末がつながっているポートはループにはなりようがなく、ポート接続後に50秒たってからにフォワーディングになるのは無駄な時間が発生することになります。

上記のような構成において端末のケーブルをL2 Switch Cに接続したら即座にフォワーディングの状態になるのがPortFastです。このPortFastの設定はポート単位で設定可能です。有効にする場合は以下のように設定します。

(config)# interface GigabitEthernet0/1
(config-if)# spanning-tree portfast


このPortFastについては実務でもよく設定しているのを見かけます。単純明快でわかりやすく設定しておいたほうがよいケースが多々あります。

■UplinkFastの概要

UplinkFastとは文字通り、アップリンクのインターフェイスの切り替えを即座に行うための技術です。例えば以下の構成の場合。

Switch_AとSwitch_Cの間のリンクが切れた場合、代替え経路としてSwitch_Bを経由することになります。このときSwitch_Cのアップリンクが切り替わることになります。従来では50秒を待ってから切り替わるのですが、アップリンクの切り替えを即座に行うのがUplinkFastという技術です。

これはスイッチ単位で有効/無効を設定します。上記のケースにおいて設定を実施するのはSwitch_Cであり有効にするには以下のように設定を行います。

(config)# spanning-tree uplinkfast


このUplinkFastに関してはSTPに関する書籍などでは必ず出てくる技術であるものの、実務で設定しているのは見たことがありません。上記のような単純構成であれば設定しておいたほうが良いのでしょうが実務で上記のような構成を組むことはまずありません。

■BackboneFastの概要

BackboneFastとは下記の構成の場合、Switch_Cから見た間接リンク ( SwitchAとBの間 ) の障害を素早く検知するための技術です。

通常であれば50秒かかるSTPの切り替わりが、BackboneFastを設定することにより30秒まで短縮されます。ただし、これはUplinkFast以上に使われない技術であり、これを使うのであればRSTPの使用が奨励されます。

BackboneFastを設定する場合、STPを構成しているスイッチ全てにおいて設定を実施する必要があります。上記の構成であればSwitchAとBとCのすべてに下記の設定が必要となります。

(config)# spanning-tree backbonefast

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